水晶デバイスは、未来を映し出す

自らの手で、世の中に欠かせない製品を創り出したい。そんな想いを抱いて、就職活動を行っていたという彼にとって、電子機器のキーパーツである水晶デバイスとの出合いは、大きな衝撃だった。

「水晶と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、占いに使う水晶玉くらい。電気電子系の専攻でしたが、水晶デバイスという存在も知りませんでした。それが世の中を支えている。純粋に『面白い！』と思いましたね。モビリティの進化を支える。未来の通信を実現する。人々の暮らしを豊かにしていく......。水晶デバイスの重要性と可能性に強く惹かれたことが入社の決め手になりました。そして入社した後、製品や技術に実際に触れることで興奮はますます高まりました。さまざまな価値を生み出す大企業のお客様に向き合いながら、どのような未来が実現していくのかをいち早く察知できる。そこに、確かなやりがいを感じています」

顧客のニーズから「きたるべき未来」を想像し、その実現に自らの技術と革新的な製品で貢献する。NDKの技術者は、常に新たな価値の創造を求められている。だからこそ、モノづくりの現場では、風通しを良くして、自由闊達にコミュニケーションを交わすことが、必要不可欠です。

「アットホームな雰囲気で、気軽に相談できる。一方で、一人ひとりのアイデアを尊重してもらえる機会もある。上司や先輩のおかげで、自由に、のびのびと仕事に向き合うことができています。だからこそ、こちらも前例に囚われない新たなアイデアを出そうという気持ちが強くなるんです」

目に見えないモノを追究する

向き合っているのは、ミクロの世界のモノづくりだ。設計を担当するのは、スマートフォンをはじめとしたモバイル通信機器向けの水晶振動子。電子機器の小型化・高性能化に伴い、NDKの製品も小型化を追究し続けている。

「ミクロの世界における技術・設計は実に奥が深いもの。既存の製品をそのまま小さくしただけでは、特性が大幅に変化し、求められる機能を果たせなくなることもあります。すでに入社して4年が経ちましたが、その間に求められる製品のサイズは半分近くになりました。もはや肉眼では見えない、小さな世界で、よりよいモノをつくる難しさを感じています」

高性能のスマートフォンも、ビジネスに欠かせないノートパソコンも、水晶デバイスがなければ、正常には機能しない。私たちの当たり前の日常は、NDKの技術者たちの努力によって支えられているのだ。

「常に意識しているのは、従来の方法に固執せず、新たなアイデアを発信し続けることです。積み重ねた技術や知見では、百戦錬磨の先輩方には敵いません。けれど、そこで何もしないのでは、私がここにいる意味がなくなってしまいます。経験がないからこそ、若手だからこそ、生み出せる解決策がある。私は、そう信じていますし、チームの皆さんもそうした積極的なアクションを期待してくれていると思います」

社会に大きなインパクトを

極小の世界に、持てるすべてを注ぎ込む。製品のサイズに反比例して、その仕事が生み出すインパクトはきわめて大きい。彼がそれを実感したのは、競合他社に先駆けて開発した、超小型製品がリリースされた瞬間だった。

「私たちが携わった製品が発表される。世の中に送り出される。それだけでも達成感は大きかったのですが、それを受けて、会社の株価が大きく跳ね上がったんです。自らの仕事が会社の成長につながっていることに誇りを感じましたし、責任ある仕事を任されているのだと再認識できました」

自らの仕事が、会社の成長に直結する。そして、そこで生まれた価値は、世の中を支える力になる。NDKの技術者は、常に「その先」を想像することで、意欲的に価値創造に向き合っている。

「手掛けたデバイスが、通信の未来を実現する。これほど大きなやりがいは他にはありません。4Gの普及と共に、SNSやYouTubeなど便利なサービスが浸透し、世の中の常識は大きく変わりました。では、私たちのデバイスが支える5Gの時代に、どのような価値が生まれていくのか。その未来を想像するだけで、ワクワクします。製品に対する要求はますます厳しくなりますが、私たちの技術や製品が生み出す「その先」を見据えて、確かな価値を生み出していきたいと思っています」